2023年7月12日

脱却

 
「自分よりも苦労している人はいくらでもいる」と思えるようになったのは、逆説的だが「これ以上ない」と感じる苦痛を経験したあとだった。

どうしても引受けねばならぬことがあり、それが理由もなく平気で外からやってくる。
始めからそういうものだったと、世界のありのままの姿を知りようやく盲目から醒め、人の世の入り口に立てた。

自分の恵まれた点に目がいかないうちは、他者の戦いに真に目がいくこともない。
「私よりも苦労している人はいくらでもいる」と言葉では知りながら、実際は他人など眼中にないのが常である。

そういう盲目を、必ず打破しなければならないとも思わない。
打破せざるを得ない状況・運命が存在するというだけのことだ。
けれども、そんな盲目を切り開く道こそ、人間に生まれた醍醐味を最大に感じさせてくれる言わば贅沢さを秘めている、そう感じている。



2023年4月14日

哲学

日常のほとんどの場所に、哲学思想は不要である。
1日の大部分は「いつも通り」で構成され、惰性で過ごす時間が圧倒的に多いからだ。

一方、哲学思想と呼ばれるものの方も、実用的なものはごく一部であるように思う。

必要かつ有用な哲学思想とはどういうものか、それは
『自分しか頼るものがない状況下で「自分がすべき事」へ注力する助けになる』思想である。