2018年7月10日

自分にできること


人は「能力」というものをほとんど持たない。
「環境」と「本能」によって作られた「スタイル」を有するだけである。

人にはそれぞれ「能力」があり、それを拡大することで物事や人生を切り開いていく、そうかつての私は思っていた。
しかし多少長く生きてつくづく思うのは、人には「スタイル(=我流)」があるだけだということ。

なるべく広い視野を持つよう努めた時も、最大限に慎重になろうとした時も、
最終的な判断を下したのは「我流のスタイル」だ。
人はそれしか使えない。

スタイル形成に大きな影響を与えたのはやはり「環境」である。
たまたま放り込まれた環境によって、運命的支配を受けていく。
そのそれぞれの環境で生き延びるため(=本能)に身につけていく処世術の集積こそが
「その人」を形作っていく。

みんなのヒーローにはなれない。そんなものは居ない。
それを誰もがどこかで悟り、言わば「誰かのヒーロー」を目指すことを新たな目標にしていく。

私は私になるだけである。
私がすることは、どんなに小さなことも「私にしかできないこと」で
私の全ての言動には私の人生の集約されている。
人はそれぞれが尊く、レベルの差などない。

「能力」についての幻想が解け、それと同時に
人間は丸ごと尊いということが分かった。