2018年4月19日

通り道


うつ病になると「何1つまともに出来ない」と思いがちだが、それは誤解だ。
正しくは「何1つそれまでと同じスピードで出来ない」である。

試せば分かるが、いくら時間をかけてもいいことにして行動すれば、たどたどしいながらも健康時と「同じルート」で、「同じレベルの納得」を重ねながら判断・行動ができる。
以前と同じスピードでやろうと思わなければ、質的に同じことができるのだ。


うつで凹むのは、自分の行動における「遅さ」と「ミス」との認識だ。
この際に、「これまでの自分」と比べて低下しただけのものを「全壊」したかのように捉えたら、それは正しくなく、悲観が過ぎる。

たしかに「全壊」ではないにしても、動揺は小さくないだろう。
しかし動揺により更に「ミス」をしやすくなる悪循環こそが、うつの悲劇のだ。


前述した「ゆっくり確認しながらやれば、まずまずの感触でミスも少なくやれる」ということを忘れてはいけない。
「遅くても良いからちゃんとやるモード」で普通の生活をすることが、うつ脱却の最短コースだ。


正常に残った回路を用いてじっくり行動すると、うつの悪化要因である「身体の神経の誤用」が最小で済む。
これが、うつ対応の基本にしてほぼ全てである。


ただし言うまでもなく、そのモードの導入には犠牲も伴う。
贅沢な時間の使い方をすることにより、外部との連携にはトラブルが生じ得よう。
しかし病の長期化を防くためには止むを得ない、否、すすんで払うべき犠牲なのである。
基本的には開き直るしかない。
まわりへの感謝を心の中に一筋保てていれば十分だ。




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